Eurasian Art Craft Design
|
|
|||||
|
|
|||||
|
ラジオドラマから Eurasian Choko Craftへ 放送台本から Cutting Art Workへ みなさんはラジオドラマを聴いたこと、ありますか。 音だけで表現する世界です。 ![]() 構図はストーリー。 文様は科白。 色調は音。 ![]() 学生時代、一本のラジオドラマを聴いた。 声の響き、音、音楽、科白、そして、ストーリー。 頭の中にグングン広がる映像に圧倒された。 音の持つ力に魅了された。 聴覚がもたらす豊かなイメージの世界。 私は迷わずラジオの世界に足を踏み入れ、放送作家となった。 科白のトーンが、演技者の肉体を通して別のトーンへと変化 (へんげ)する。それが面白いと思った。 しかし・・・。 ディレクター、出演者、作家、効果マン。 みなが力を合わせる総合芸術。その分・・・ スタッフ各々がいだくイメージに、同じものは一つとしてない。 人は書き手の頭の中には入れないのだから、 それも無理からぬこと・・・。 第一、台本は設計図だもの・・・。 ![]() やがて私は折に触れて文様の本に見入るようになっていった。 東洋と西洋を行き来する文様の美にいたく惹かれたのだ。 気がつくと、ラジオディレクターと呼ばれるようになっていた。 収録で日本各地・あちらこちらを飛び回りながら、 それでも文様の本を手離さなかった。 文様は確かに私に寄り添い、支えてくれるようになっていた。 古代オリエント時代に発祥した文様が7000年の時を経て、 かすかな、けれど、確かなエールを送ってくれている・・・。 錯覚なのか。錯覚でもいい。 私は、聴覚から視覚の世界に引越しをすることにした。 ポーンと。 ユーラシア大陸を舞台に、西へ東へと行き来し、 時間を超越しながら美術工芸を支えてきた文様の数々。 その美の奥深さを現代美術として成立させたい。 暗中模索の作業が始まった。 全体の構図を考える。 オリジナル文様の下図を描く。 和紙を染める。 染めた和紙にオリジナル文様を転写し、 デザインカッター1本でひたすらカットする。 そうした時間が私を支える。 ![]() 師匠はいない。展覧会を。画材屋を。和紙の問屋を巡る日々。 画材屋さんと話をする時、いつも以上に饒舌になった。 和紙問屋では見本帳を眺め尽くした。 ![]() 「こういった作品や技法、初めて観ました。面白いですね」 と、某美大学長が言って下さった。 「続けてください。コンクールにもお出しなさい」 「出品したくてもジャンルがないんです。ご存じありませんか?」 「・・・ ・・・」 「そうですか、やっぱりないですか・・・」 かなり沈んだ。 色彩の勉強もし直した。 琳派に魅かれ、箔や砂子のあしらいについても学んだ。 メゲた時は大好きな梅林茂さんの音楽をひたすら聴いた。 (Art of Noise のRobinson Crusoeも大好きです・・・) 聴きながら、下図を描いた。和紙を染めた。切った。 楽しさが不安を越えていく。 ユーラシア大陸の砂漠が頭の中に広がった。 海のシルクロードを渡る風の音を感じた。 ![]() 初めて海外からメールを送ってくださったのは、メキシコの女性 だった。 「hi choko, I just wanna tell you that simple love your work.. My best regards for you from mexico」 元気を貰った。 ラジオドラマは時々書くだけになっていった。 ![]() かと言って、 ラジオドラマと今手掛けているCUTTING―ARTWORKに、 大きな違いはない。 構図は、ストーリー。 CUTする文様は、科白。 色調は、演技者の声音と効果音やBGM。 ・・・と、置き換えれば良いだけのことだ。 そうか、私はCUTTING−ARTWORKでラジオドラマを 創ろうとしているのか・・・! ![]() 違いがあるとすれば、CUTTING―ARTWORKは全て 一人の作業であること。仲間は画材だ。和紙だ。 ラジオドラマは、放送局がなければ成立しない。 ARTWORKは、作家自身が「ここまで」と作品にサインをすれば 成立する。 共に「表現」でありながら、全くスタンスの異なる二つの世界。 ![]() 頭の中にある、世界でたった一つの映像を具現化する時、 背中がキリキリする。が、とても愉快な作業である。 私は愉快を初めて手に入れた。 この愉快をみなさんと共有したいと心から思う。 ![]() デザインカッターで和紙を切る行為は縦横無尽なリズムを生む。 和紙は洋紙と違って繊維が複雑に絡み合っているから。 ![]() 勿論一枚の和紙をCUTしたもの。 ![]() 和紙を細密に切ること、 それは右脳が時を食べるが如く暴走すること。 ![]() 右脳が「残り時間を全て捧げても構わないよね」と 信号を送ってくる。 いいよ。 時を食べた獏が今日も夢を一枚届けてくれる。 獏は本来夢を食べると言われているが、 私が飼っているのは、時を食べ、夢を届けてくれる 獏のようだ・・・。不思議だナ。 構図はストーリー。 文様は科白。 色調は音。 ![]() 音の聴こえてくるようなドラマ、 感じていただければ嬉しいのですが・・・。 それから そう遠くない将来、立体も創りたいと思っています。 曲線加工したアクリル板にART−WORKを挿んだり、 天井から吊るしたり、 巨大なアクリル箱の中で泳がせたり・・・。 SURROUND−RADIO・DORAMAのような立体を 創りたい。 面白いと思われた方、どうぞお力をお貸し下さい。 ビルの壁面装飾 ショップのウインドゥディスプレー テキスタイル オブジェ 衝立、今風に言えば、パーテーション CUTTINGした襲の色目の壁面。 EURASIAN ART CRAFTはいろいろな可能性を 持っています。 <生きる>を面白く! 2013.02.11 choko nakazono ![]() Back to HOME |
|
||||
Original Arts exclusive from my Nakazono Arts Studio. |
||||||
Copyright Nakazono Choko 2003-2017 |